◎この記事は2012年7月に「タンドール窯をつくる(1)」「タンドール窯をつくる(2)」「タンドール窯でつくる」というタイトルでFacebookに公開したノートを再編集したものです。(ほぼ、原文どおり)
2012年7月26日(木):タンドール窯をつくる(1)
今年も小諸に来ました。「こもろ・日盛俳句祭」のドキュメンテーションをおこなうというプロジェクトなのですが、カレーキャラバン(http://curry-caravan.net/)のメンバーも随行しているのです。
前回の新潟でのキャラバン(2012年5月)ののち、さらにカレーづくりの環境を充実させるために、タンドール窯をつくることにしました。あとできちんとまとめたいと思いますが、備忘をかねて、きょうの作業の流れを書いておきます。タンドールを自作しているひとのレポートがウェブに載っていたので、基本的にはそれをベースにして、作業をすすめました。
【用意したもの】
- ペール缶(20リットル)直径30センチくらいのもの 2,100円*
- テラコッタの植木鉢(26*31という表示)798円
- 植木鉢のソーサー(素焼きのもの)(25cm)298円
- 丸い網(直径26cmくらい)348円
- バーミキュライト 14リットル 458円
- カレー粉の缶
* ペール缶は、あたらしいものを買ってクルマに積んで行きましたが、あとは小諸に着いてからホームセンターに行って買いそろえました。ペール缶は、いわゆる「オイル缶」ですから、どこかで(たぶんタダで)調達できるはずです。
ペール缶 まずは、ペール缶から。下のほうに空気を取り入れる口をつくるので、そのための穴を開けます。カレー粉の缶の大きさに輪郭を描き、ドリルで穴を開けてから、金切ハサミでくり抜きました。手を切らないように注意。
テラコッタの鉢 そしてテラコッタの鉢は、逆さまにして使うことになるので、底を抜きます。(ウェブの記事で見たとおり)ドリルで穴を開けます。陶器用のビットをつけて、 テラコッタの鉢がいきなりピシッと割れてしまうのではないかとビクビクしながら、だいたい5ミリ間隔くらいでぐるりと穴を開けました。そのあと、木槌で叩いて、底の部分を取り除くことができました。なかなか綺麗にできたので、みんなで拍手。
しばし底の抜けた鉢を愛でていたのですが、この穴からチキン(+その他)を刺した串やナンの生地を出し入れすることを考えると、ちょっと穴が小さすぎるので はないかという感じがして、せっかく底を抜いたばかりのところ、もう少し加工することになりました。ドリルのバッテリーが切れてしまったので、充電。
明日もカレーをつくる予定なのですが、すでに今朝から仕込まれていたというおかんカレー(定番のじゃがいも、ニンジンごろごろのやつ)で、タンドールづくりもひと休みです。
カレーのあとで、こんどは鉢の側面にぐるりと穴を開け、最後はノコギリをつかって底の部分を切り落とすことができました。ドリルの穴の跡が並んで、なかなかいい感じになりました。ふたたび、拍手。
その他 写真を撮るのを忘れましたが(明日のレポートで追記します)、このほか、空気を取り入れる口のパイプにするためにカレー粉の缶を加工し、丸い網はサイズが合わなかったので枠を切り落としました。
すっかり暗くなったので、ここで終了。明日は、午前中に「タンドール壱号」を完成させ、午後には「火入れ式」をおこなう予定です。乞うご期待。
2012年7月27日(金):タンドール窯をつくる(2)
2日目も、朝から暑くなりました。まずは、昨日のレポートで書けなかった部分から。
カレー粉の缶 テラコッタの鉢のなか(つまり釜のなか)から外に向けて、空気の穴をつくります。そのために、缶入りのカレー粉(300円くらいのもの)を買って、缶を加工しました。(あ、必要なのは缶なのですが、その前に缶の中身のカレー粉は、べつの容器などに移しておきましょう。)
やることは単純で、缶の底を缶切りで切り取って、これをパイプのように使います。
七輪用の丸い網 丸い網は、鉢のソーサーの上に載せるのですが(その上に炭を載せます)、買って来た網はペール缶のサイズに合わなかったので、外側にある丸いフレームを切り取ることにしました。ソーサーとほぼ同じサイズにすると、ペール缶にも綺麗に収まります。時間はかかりますが、ペンチで網を切り離します。
さて、ここからがきょうの作業です。カレー粉の缶がうまく収まるように、鉢の側面をくり抜きます。チョークで輪郭を取って、昨晩と同じように陶器用のビットをつけたドリルで、穴を開けていきます。ペール缶に開けた穴と位置が合うようにするため、U字にくり抜くことになりました。穴を開けたら、ノコギリや木槌などをつかいながらくり抜きます。あとは、適当にカレー粉の缶のほうを叩いて整形します。
ここまで来たら、あとひと息。いよいよ組み上げます。まずペール缶に鉢のソーサーを入れ、その上に網を載せます。そして、テラコッタの鉢を逆さにして(底を切り取った側を上に)、空気穴へのパイプになるカレー粉の缶を上手に配置しながら、ペール缶のなかに収めます。
うまく配置できたら、鉢とペール缶のあいだをバーミキュライトで充たします。これで、できあがり。「タンドール壱号」の誕生です。
2012年7月27日(金):タンドール窯でつくる
さて、「タンドール壱号」が無事に完成したので、さっそくつかってみることにしましょう。
事前にヨーグルトやスパイスをからめて、肉(豚・鶏)を仕込んでおきました。
まずは試しに、ひと串だけ(串はバーベキュー用の40cmくらいのものです)。べつのバーベキュー台で火をおこして準備しておいた炭を、少しだけタンドールに移して、串を入れます。ちょっとの炭だったのですが、すぐに窯の中が熱くなって、なかなか効率がよさそうです。
ほどなく、いい香りが漂ってきました。
そして、キャラバンのメンバーで試食。なかなかイケます。油が中に落ちて、肉はジューシー。期待どおりです。
調子がよさそうなので、さらに串を追加します。その後、あまり炭を足さなくても、「タンドール壱号」の火力は衰えませんでした。あたりが暗くなっても、カレー粉の缶でつくったちいさな丸い窓は、赤々と輝いていました。
このほかにも、チャパティを焼いてみました。ちょっとしたコツ(と共同作業)が必要ですが、窯の内側に生地をはりつけると、わずか数十秒で焼き上がりました。次回はナンを焼くことにしましょう。