クローブ犬は考える

The style is myself.

Day 8: 不意にドライブ

けっきょく、旅に出る前に確認していた天気予報はほとんど役に立たなかった。ぼくたちとしては、むしろよろこぶべきことで、通り雨はあったものの、ずっと晴れていた。夏らしい暑い日に、カレーをつくった。淡路島(洲本)、高松(仏生山温泉)、そして小豆島(馬木)。それぞれの場所が個性的で、たくさんの人に出会うことができた。

めまぐるしい一週間だったので、まだうまく整理できていないまま、最終日になった。亜維子さんは、大事な用事があるため、高松から飛行機で帰ることになっていた。ぼくは、健世さんとふたりでまず高松に渡り、徳島からフェリーで東京に戻る計画だった。

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朝早く、亜維子さんとねぎに見送られて出発し、土庄港に向かった。しばらく港で待ってから出港。8:30ごろには高松港に着いて、徳島を目指した。来た道を、逆に向かうことになり、この充実した「関西ロード」をふり返りながら走った。そして、高松で高速道路に乗ってほどなく、あたらしい展開。

「徳島からの船、長いっすよね」(フェリーは昼前に徳島を出て、東京には翌日の早朝に着く。つまり17時間くらいの船旅になる。)「たしかに」「なんか、一週間も留守にしていて、帰ったらやること山積みですよ」「そう、メールをチェックするのがこわいね」…などと、少しずつ、東京に戻ってからのことが現実的に思えてきて、「なんか、昨日、3回目のカレーをつくって、テンション高くない?」「意外と身体の調子がいいかも」…となり、さらに「フェリーって、キャンセル代かかるのかな?」「このまま、東京まで走っちゃう?」…となって、健世さんが電話で船の予約をキャンセル。

カーナビに、一週間前のスタート地点を入力したら、到着予定時刻は18:30ごろと表示された。明日の早朝まで船に揺られるのも悪くないが(実際、フェリーは乗ってみたかった)、東京に帰ってからのことが気になりはじめていたので、「18:30」という表示はうれしく思えた。日曜日の朝なので渋滞もなく、走っているうちに、到着予定は「17:30」に変わった。道中、なぜかふたりとも身体の調子がよくて、とても快適なドライブだった。交代しながら運転して、14:00ごろには静岡に着いた。明るいうちに帰って、のんびりするつもりでいた。

ところが、御殿場の近くで事故渋滞。ラジオをつけると、クルマ9台の事故、さらに数十キロ先でもクルマ3台の事故があったという。クルマは全然、動かなくなった。どうするか迷いつつ、御殿場で出口に向かい、ずっと下の道を走って東京を目指した。けっきょく、スタート地点に戻ったのは21:00ごろだった。それでも、日付が変わらないうちに帰って来た。

もともと勢いで決めた「関西ロード」だったので、その場の勢いでフェリーの予約をキャンセルして、650キロをドライブして戻ってくるという終わりかたが、ふさわしいようにも思えた。まちは、少しだけ秋らしくなっていた。