クローブ犬は考える

The style is myself.

Day 7: うまうまうまきカレー

いよいよ「関西ロード」最後のカレー。雨を心配していたが、晴れて暑い日になった。着いたとたんに、野菜をたくさんいただく。すべて、馬木キャンプで育てられたものだ。

きょうは、(海水から)塩をつくるワークショップがおこなわれるとのことで、荷物を下ろしてからすぐに買い出しに。原田さんの運転で、家成さん、柳原さん、水野さんとともに産直などを巡った(途中で、みかんソフトクリーム)。

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すでに、ウェブなどで馬木キャンプ - Umaki Camp のことは知っていたが、実際に見るのも使うのも初めてだ。最近出た『小豆島にみる日本の未来のつくり方』という本にも、馬木キャンプについての記事が載っている。どうも、先に頭のなかにイメージがつくられていたせいか、(決して悪い意味ではなく)思っていたよりも小さいというのが最初の印象だった。まわりを取り囲む家々や、背後にある大きな木とともに眺めることで、ようやくこの場所の「スケール」がわかった。

近くの港から(長い坂道を)自転車を漕いでたどり着いたときにはどのような気分だろうか。明るい厨房で調理をしながら、窓の外に目をやるとどのような景色が見えるのか。この場所に来るまでには、いくつもの道のりがある。ここで時間を過ごしてから、またどこか別の場所へと向かう。ひと筋の生活の流れのなかで、馬木キャンプを位置づけてみる。あたりまえのことだが、やはり実際に「現物」を見て、使ってみることは大切なのだ。おそらく、その直接体験がなければ、この「小さな社会実験」の本質に近づくことはできない。そもそも、これは「体験する作品」だったのだ。

買い出しから戻ってしばらくすると、ねぎ(根岸)が到着(一緒に来るはずだった森部は、急遽不参加になった)。カレーキャラバンの、大切な助っ人である。他にも、馬木キャンプを訪れた人の手を借りて、野菜を刻むところからはじまった。

柳原さんは、(カレーのことは、ときどき口にしながらも)一人で、シェフのような手際で料理をつくりはじめた。カルパッチョをつくったり、炭で魚を焼いたり。ねぎは、飲み物につかう、はちみつレモンを仕込んでいる。大きな厨房なので、みんなが好き好きに調理をしていても、気にならない。というより、むしろいくつもの作業がおなじ場所ですすんでいくのが面白い。しばらくして、塩づくりのワークショップが終わったので、テントを張って、鍋を外に出して最後の仕上げ。

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17:00ごろ(きょうは、いつもよりちょっと早め)に、「うまうまうまきカレー」が完成した。「魚伝」で買ったマナガツオは、醤油で煮てから、まぜごはんにした。もろみと揚げせんフレーク(砕いてしまって、ごめんなさい)をトッピング。差し入れでいただいた紫タマネギのサラダとともに。 (この日つかった食材のこともふくめ、カレーづくりの経過・ 概要は、カレーキャラバンのオフィシャルサイトに掲載される予定|http://curry-caravan.net/) 

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カレーを食べ終わってから、テーブルを囲んでミニトーク。水野さんは「よくできた、つくりかけ」だと言う。そう、カレーキャラバンのカレーは、つねに「半成品」なのだ(ときには「反省品」)。いつも、誰かの手を借りて、カレーをつくる。ダメ出しやツッコミの余地はたくさんある。カレーはできあがるが、それはレシピの「完成」ではない。終わったら、荷物をたたむ。旅をすることは、「半成品」をつくりつづけるための方法なのだと思う。

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こうして、淡路島、仏生山温泉につづいて、3回目のカレーづくりが終わった。宿に戻って、ささやかに乾杯。明日は早朝に小豆島を発つ。